こんにちは、ひろきつねです。
今日紹介する本はこちらです。
「サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略」荻島 浩司
コロナショックで一気にデジタル化が進む世の中です。ここ最近話題になっているDX/SaaSについて勉強しようと思ってこちらの本を読みましたので読了報告も兼ねて皆様にご紹介します。
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略
著者
株式会社チームスピリット・代表取締役社長
https://at-jinji.jp/blog/32393/
2009年頃からクラウドの台頭により、将来的にサブスクリプション型ビジネスの成長を予想し、自社のビジネスを受託型からクラウドサービス型へ転換することを決意。当時自社で勤怠管理と経費精算のシステムが必要となり、自分のニーズにあったシステムが存在しないことから、2010年5月クラウドで勤怠管理にSNSを組み合わせたサービス(アッと@勤務 Free)を開発し、無料提供開始。このサービスの需要が想定以上だったことから、2011年3月さらに経費精算と工数管理を合体させたTeamSpiritのプロトタイプを開発。2011年10月 株式会社セールスフォース・ドットコムと資本提携し、2012年4月チームスピリット正式サービスを開始する。2019年11月現在で1300社、13.5万ユーザを突破した。
内容
DXは新しい技術、サービス化、新しいビジネスモデルでできている
なぜすべての企業が存続をかけてDXに取り組む必要があるのかデジタイズ→DXには大きな谷がありスタートアップのような大きな飛躍が必要
IT業界のDX=「SaaS/サブスクリプションのビジネスモデル」
SaaS/サブスクリプションが「すごい成長」をする仕組みこれからの生産性、創造性を開拓するための思考法と方程式
出版社HPより抜粋
サブスクリプションシフト:学びポイント
この本を読んで私が勉強になったポイントを紹介します。
SaaSとはそもそも何か?
「SaaS/サブスクリプション型」とはクラウドというテクノロジーを利用し、ソフトウェア自体を商品として売るのではなく、そこから得られるベネフィット(恩恵)を商品として、利用期間に応じて定額で代金を回収する、まさにソフトウェアをサービスとして提供(SaaS:Software as a Service)する、まったく新しいビジネスモデル
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略
データの蓄積によって、ユーザーにとっての価値を増進させていくことや、サービスをリアルタイムに拡張することが可能になります。
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略
こう書かれても結構難しいですよね・・・
私はポイントは3つだと解釈しました。
1)ソフトフェアのダウンロードは不要でネット経由で利用
今となってはネット経由で色んなサービスが利用できるのでパソコンにソフトフェアをダウンロードする行為事態が珍しいことかなと思いますが、一昔前は一太郎とか用途に応じてソフトフェアをダウンロードしてました。今流行りのSaaSはそういった形式ではなくネット経由で活用するサービス。
ネット経由って今じゃ当たり前なので人によってはピンと来ないかもしれませんが、これまでのサービスと比較をする上で重要なポイントなんだろうなと思います。
2) 売り切り型ではなく定額制のサービス
定額制で利用している期間チャリンチャリンと収益が発生する仕組み。利用者側から見ると毎月固定費でお金が出ていくデメリットはあるものの、売り切り型で何百万とお金をかけてサービスを利用するよりも手軽に利用ができるので導入障壁が少ないのがメリットな気がします。
お金を払う側からすると、気になるけど本当に便利かわからないサービスにまとまったお金を支払うよりも「まずは数ヶ月お試しで利用して良かったら継続利用して微妙だったら解約できるサービス」の方が試してみよう!という気持ちになりますよね?
こうした“金額”という購入障壁が低いのも現在SaaS/サブスクリプション型のサービスが流行っている理由の1つだと思います。
3)サービスをリアルタイムに拡張することができる
この3つ目も重要なポイントだと思います。
より多くの企業・個人にサービスを利用してもらいデータを集める。
そしてニーズに応じて機能(サービス)をどんどん追加していく。
このサイクルを回すことで、ユーザーの満足度があがり利用期間が長くなり追加機能を利用するので単価も上がり提供会社が儲かる。こんな構図なんだと思います。
売り切り型の商品だと、上記のサイクルを回すことができないですしニーズが多様化している今サービスがどんどん拡張され使いやすくなっていくSaaS/サブスクリプション型のサービスが流行っているんだと思います。
このようなポイントを踏まえて私がSaaSって何と周りの人に問われたら
ネット経由で利用するもので色んな機能(サービス)がついてるサービスはSaaS
かなり強引ですがこう答えます。
例えば、誰もが1度は使ったことがある「食べログ」というサービス。
現在は、
個人:目的に沿った飲食店を探せる
企業:多くの人にお店を知ってもらい予約してもらえる
こんなサービスかなと思います。
ここに
個人:
目的に沿った飲食店を探せる ・ 気になるお店の出前が注文できる・料理のレシピを調べられる・アルバイトの応募ができる
企業:
多くの人にお店を知ってもらい予約してもらえる・バイトのシフト管理ができる・給与支払いができる・求人募集ができる
このように色々な機能が追加されて、食べログさえ登録していれば色んなサービスが使えるようになる。このような状態のサービスがSaaS何だと思います。
LTV(Life Time Value) 顧客生涯価値という考え方
【公式③】 LTV=月額(年額)の利用料金×1顧客の離脱までの平均継続期間 【公式③】 LTV(Life Time Value) とは顧客生涯価値のことです。SaaS/サブスクリプションのビジネスの評価は単に売上や利益ではなく、LTVがベースになります。
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略
私自身この本を読んで初めてLTV(Life Time Value)という考え方を知りました。
NetflixやHuluといったサブスク系のサービスを私自身も利用していますが、月額のプランが1つのみのケースが多く”どれだけの期間”継続して利用してもらえるか。が売上に左右するよね〜と思ってました。
ですが、今回の本を読んでなるほど!と思ったのがBtoB向けのSaaSやサブスクは1つのサービスの中に色んな機能があり顧客が自分自身のニーズによって機能を追加できることです。。機能が豊富で自由に追加できることで”単価”という概念も登場します。
だからこそ、LTV=月額利用料金(単価)×平均継続期間(時間)の方程式が成り立つんですね。
カスタマーサクセスの必要性とこれから求められるスキル
カスタマーサクセスの必要性
「カスタマーサクセス」 という考え方です。カスタマーサクセスは、一般的なお客様へのサポート、問い合わせ対応とは異なり、自社の製品を使っているお客様の事業を成長させるための活動です。そのために、カスタマーサクセスでは、お客様から見ると会社そのものがあたかも一つのプロダクトでありサービスであると感じてもらえるように、マーケティング、セールス、導入支援、カスタマー サポートなど、それぞれの部門が一体となってお客様を支援する体制の構築がとても重要になります。
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略
仕事柄様々な求人に目を通しますが、その中でも最近カスタマーサクセスという職種が増えているように感じます。実際は前から同じような職種存在していましたがその中身が変わってきています。
上記のカスタマーサクセスに加えて、オンボーディングという職種もここ最近登場しています。
オンボーディング
サービスを契約した顧客に対して導入サポートをしていく人
営業・オンボーディング・カスタマーサクセスの業務範囲を整理するとこのようになります。
提案〜契約まで:営業
契約〜利用開始まで:オンボーディング
利用開始〜:カスタマーサクセス
各フェーズにおいて対応する職種や部署を変えていきます。こうすることでよりピンポイントで顧客のサポートができるのがメリットです。この流れはSaaS/サブスクリプションが浸透するに連れて強くなります。
これから求められるスキル
顧客にわかりやすく説明するスキル + 顧客のニーズを引き出し解決策の提案ができるスキル
これがこれから求められるスキルだと思いました。
LTV=月額利用料金(単価)×平均継続期間(時間)の方程式が出てきました。
平均継続期間を長くするためには、従来型のサポート業務に求められていたスキルがあれば行けそうです。
ですが月額利用料金(単価)は、サポート業務に求められているスキルだけではなく色々な機能を追加契約していただくために顧客のニーズ把握と解決策の提案ができるスキルが求められてきます。
このように時代の流れと共に求められるスキルも変わってきますね〜
SaaS型ビシネスの強み
- 導入障壁が低いので取引社数拡大が見込める
- 導入個社に合わせてサービス開発をする必要がない
- 利用データを元に追加サービスを開発できる
- 定額制なのでキャッシュフローが安定する
- 顧客のニーズにあった機能を追加することで顧客満足度が上がり顧客の囲い込みができる
サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略のまとめ
SaaS/サブスクリプション型ビジネスを学ぶ入門書として非常におすすめ!
入門書として非常におすすめです。
SaaS/サブスクリプションとは何か?というのって概念や抽象的な解説だけではなく、著者が社長を務める会社で提供しているサービスにも触れながら解説しているため概念の理解に加えて具体的にどんなサービスなのかという部分まで理解することができます。
これからのSaaSを考える
これからの時代あらゆる業界でSaaS型のサービスが主流になっていくと思います。
- 労務管理に特化したSaaS型サービス
- 人事に特化したSaaS型サービス
- 不動産に特化したSaaS型サービス
このように業界ごとに◯◯特化型サービスが今後たくさん展開されていくんじゃないかな?と思います。